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「………」
自分でも分かる…
これは、体温が戻ってくる感覚
もう……私は、雪女じゃない方の姿をしている。
………バレた、バレてた。
ああ、当たり前か。
せっかく律儀に隠してたのに…
一番、知られたくなかった人に
知られてたなんて……ね。
チヒロ「宮部さんも…半妖だからこそ、朔羅ちゃんを護ってあげたいと思っていたんだろう?」
消えゆく露姫と元の人間の姿で眠る朔羅を抱く千草を横目に千尋は言った
「……そうよ、悪い?私は半妖よ…ずっと嘘ついてたの。」
もう、意味ないけど…
自分で言った言葉が一番痛い。
ボロボロと涙が溢れてくる
………もう終わりよ。
チヒロ「悪く何かないよ。」
「………!」
後ろから伝わる優しい体温に、頭が何も考えられなくなる
チヒロ「大丈夫……君は、大丈夫…」
それはいつか聞いた言葉
私は……揺るがないでいなければならないのに。
どうして、止まらないの…?
この胸のこみ上げてくる嬉しさが
安心感が…
ときめきが…
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