マリックの茶飯事

出会う

地下街には色々なところに郵便局への矢印が書かれていて、マリックなりにそれにしたがって歩いてきたつもりだが一向に〒マークのついたビルディングは現れない。

合皮のリストバンドのついた安物の時計を見ると「16:32」とデジタル画面にあった。

（間に合うかな？）

周りの人の目線を捕まえようとするがマリックの視線はスイスイと、フッフッと避けられてばかりだった。