晩飯のための肉調達、そして出会い

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 飛び出したときに、草が揺れる音に気付いた獣モンスターは、おれに目もくれずに走って逃げようと地を駆ける。  だからって逃がさない。必ず捕まえてやる……数日ぶりの肉なんだよ! おれの今日の晩飯はすまないがキミに決まってるんだよ!  謎の闘争心でやる気をぐんぐん上昇させ、さらにスピードを上げ獣モンスターに近付こうとするが、いかんせん獣モンスターの足が速い。 「待て! 待って! 待てって言ってるでしょうがぁぁぁぁぁ!!」  待てと言って待ってくれるようなバカではないとわかってはいるけど、目の前に肉があるとどうしても興奮状態に陥ってしまう。毎日肉を食える環境なら何もこんな風にはならない。  しかし、毎日肉を食える環境で生きているおれにとって、肉は貴重品。干し肉でもご馳走だ。言いすぎかもしれないけど、肉はご馳走ってことは分かってくれると嬉しい。  走りながら左手に持った得物を獣モンスターに投げつける。狙いはモンスターだけで、すぐに倒せるとは思ってもいない。  幸い、投げた得物は足を掠めて飛んでいき、獣モンスターの足から少量の血が飛ぶ。  掠っただけでも、傷を負った足を庇うように走る獣モンスターは、傷ついた足の分速度が落ちる。  速度が落ちたことで、おれよりちょっぴり速い程度だった獣モンスターは、おれより少し速い程度のスピードになった。  おれのご飯が目の前に。絶対食べてやるんだから。食べないのはありえない。コイツ逃したら一週間は食べられないことになるしね。  今のおれは普段のおれより少しばかり強いぞ。狙いが肉だからな!  やがて獣モンスターに追いついて、もう片方で持っている得物を掠った足に突き刺して、地面と足を縫い付ける。  襲う激痛に苦痛の声をあげる獣モンスターは、それでも逃げようと奮闘するが、10センチくらい地面に刺さる得物は簡単には抜けない。  動こうとしても動けない獣モンスターの頭部に電気を流してとどめを刺した。
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