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本当に早く終わった。まだ時間あるしもう一つなにか食材探ししようかな。
食べるものは大いにこしたことはないし、なにより育ち盛りのおれはよく食べる。動き回る毎日だから腹が減ってしまうだけだけど……
とかなんとか思ってた矢先に、かなり山の奥だがうにょうにょと何かが移動している。
わりと大きい体躯のアイツは確か……サヌークだったかな? 確証はないけどそんな微妙な名前の奴だったような。
いや、どうだったかな。モンスターの名前と特徴書いてある図鑑見たのもかれこれ6年くらい前だし……
でも、記憶が正しければアイツの触手を水に入れて煮るとすごく美味しいスープが出来るって書いてたような。はて………
悩んでも仕方ないか。触手一本貰ってスープにでもしてみよう。匂いからヤバかったら残念だけど破棄ってことで。ここのモンスターはたいして強くないから間違いなく勝てる。実際今の所負け無しだから。
結論が出たところで、仕留めた獣モンスターを木に吊す。
他の肉食モンスターに横取りされないように近くの地面を踏んだその瞬間にスタンを食らわせるトラップを仕掛けるおれってば抜け目ない。
おれスゲーをしてから走り出す。かなり先に触手がいたから走ってはいるが、山だけに足場が悪い。
転ばないように気をつけながら、出来うる限りの最速スピードで触手へ走る。
触手へ走る、考えてみたら普通にキモかったので訂正。触手へ迫る。
触手との距離はまだ遠いが、うねうね動いていた触手が一旦停止し、その全てがこちらへ伸ばされる。
気付かれていたようだ。震動キャッチでもできるのかコイツ。底にそんな機能持つ触手でもあるっているのかよ、ははっ…………笑えねぇ。
剣を本当に持っていないので、触手を華麗に斬り飛ばすのは無理。華麗も何も触ったことは一度きりだから剣に振り回されるのがオチだよ。ふふん。恐れ入ったか。
バカらしい一人芝居をしてる間にも触手はぐんぐん迫ってくる。触手の先に小さなうねうねがあるもんだからキモい。何度でも言うけどキモい。
「だから弾けろ、スパーク!」
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