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「ん~……うん、大丈夫だね~。危なさそうなモンスターはいないから楽しくピクニックしよーねー!」
このようにメイちゃんは明るくて人柄もよく、他の騎士団からも気に入られている。
エイルクルシード王自らもメイちゃんに一度だけ餌付けをしたことがあるらしく、それは若干癖になりそうとのことだ。
メイちゃんとアルが戻ってきた頃、31人全員が座れるようにピクニック用シートを並べてあり、各自が家や第八騎士団専用食堂から弁当の包みに食事をいれて、それを広げている。
騎士団長と副団長の帰りをまったりしながら待っていたようだ。
ちなみになぜここまで細かいことが解るのか、そう言われると第八騎士団の全員がいる近くの木の上に自分が居て、それを見守っていたから、メイちゃんたちに関しても目を横にズラせば見える位置にいたとしか言いようがない。
メイちゃんとアルはしゃがみこんで靴を脱いでいる。メイちゃんを解くのに苦戦しているが、それを見て和んでしまったのか、誰も手助けには入らずに靴ひも奮闘戦を暖かく見守っていた。
漸くの思いで靴ひもを解き、隣で待っていたアルに手を引っ張ってもらって立ったメイちゃんは、アルと一緒にピクニックシートの中央付近に行く。
ふんにゃりした笑顔で、お昼ご飯を食べようー!日々の癒しは食事と睡眠と堕落に有りだよね~、と声高らかに宣言しなくてもいいはずのこともついでに宣言して、二人は座った。
メイちゃんは、暫くニコニコ笑っていたが、その表情は秒増しで暗くなっていく。その様子を見ていたアルが、不安げにどうしました?と尋ねる。
「お弁当お家に忘れちゃった…………うぅ」
震えた声で、情けなくうなだれるメイちゃんに、なんのためのピクニックだよとツッコミを入れたくなるのをアルは必死に抑えつける。仕方ないので、騎士団員が餌やりすることになった。
後に聞くにメイちゃんへの餌付けは全騎士団から城の召使い等様々な方面からされていた。
騎士団の人たちが笑顔で飯を食ってる時、おれは一人虚しく今朝方狩った獣モンスターの肉を片手に三年間の賜の毒キノコの見分けをして美味しいキノコだけを選び、それを自身の魔力で焼いて食っていた。
ぼっち飯をするのはあまり好きじゃないけど、おれは迷ってもない人と話すのは結構苦手な部類なんです。たぶん
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