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晩飯のための肉調達、そして出会い
触手をうにょうにょ動かしながらつい先ほどまで追いかけてきたモンスターを振り切って木を背もたれに呼吸を整えるあたし。
振り切ったと同時に切れた緊張感が、今の今まで動かない足を火事場の云々とやらで動かしていたものが急になくなった。
動こうとして筋肉が悲鳴をあげているため、一歩も動けない
身体がいくら水を欲しようと、近場に水分が補給できそうな水源はない。
見えるのは木と木と木と木と木と…………石っころ。
しかし、目に見えてる風景が、木と石しかないことと、山特有の心地良い風が安心感すら与えてしまったのか、体力も精神力も限界に近い身体は睡眠を求める。
その欲求に逆らうこともままならなく、落ちていく日を最後に、意識は深い海に沈んでいくようにゆっくりと消えていった
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