晩飯のための肉調達、そして出会い

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 さて、昔話をつらつらと綴っていたらいつの間にか日が傾いてきちゃった。  ぼっちの妄想力って逞しいよね。いやぁ、あまりにも人が来なさすぎて一人で会話もできるようにもなるし、一人遊びをかなりの数覚えちゃったし。  ねぇ、羨ましい?羨ましいって言ってよ。おれだってこんなことしてる自分が恥ずかしいよ。考えてみなよ、誰も住んでいない地で味のない肉とキノコと魚の生活。  そんでもって草が揺れて、やった人だ!って大はしゃぎしたら草食のモンスターだよ。おれに僅かでも期待させてしまったこいつは美味しくいただきました。  話し声が聞こえた!って大はしゃぎもしたこともあるさ。行ってみれば人が話してた言葉を覚えていたただの鳥。むしゃくしゃしたから捕まえてその日の飯にしちゃった。後悔なんて微塵もしていない  ふぅ、ぼっちの辛さを存分ではないけど少し語ったから楽になった。そろそろ出掛けようかな。  今、おれが居るのは乱雑に建てられたツリーハウスの中。このツリーハウスに登る方法はただ一つ。無造作に刺さる釘を足場にするしかなく本当に適当で、今にでも壊れてしまいそうなほど脆い構造だ。建築の知識もないから足場とツリーハウスができた時点で及第点だよ、うん。及第点。  おれがこの木に住み始めたのは一週間ほど前で、前まで住んでいたツリーハウスは盛大な音を立てて崩落しちゃったんだよね。  釘を大量に刺していたせいで木の腐りを早めたみたいで、三年暮らしていただけで崩れた。  逆に三年もよく持ったなと、木に関心がないおれは褒めてやりたいけど、ツリーハウスに置いていた道具の大半がダメになったから感謝の量も少な目に。それとごめんなさい、若い木だったのにね。  おれは着用しているコートに必要なものを詰め込み、ツリーハウスを出る。  玄関扉なんてもちろん無く、風通しの良すぎるツリーハウスを出て、安定の悪い釘を伝って下に降りる。  今襲われたら結構やばいんだけど。剣の一つも扱えないからね、おれは。  今日も無事に地面に立つことが出来て、一度深呼吸。もうね、また木が折れると思うと気が気じゃなくてね?  ………とまぁなんだかんだ自分に言い訳してるけど一人ぼっちってやっぱり寂しいな。
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