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ある寒い日に裸足で女の子が本を持って歩いていました。その女の子は薄っぺらい服、とも言えぬ布を身に付けて歩いていました。
女の子がもつその本は今は亡き母親がくれた大切な本。崖に生えている大きな木の下でそれを読むことが女の子にとって一番の楽しみでした。
いつものように大きな木の下に座って本を開くと横から白いウサギが時計を持って飛び出してきたのです。白いウサギはいつの間にかぽっかりと空いた穴に飛び込んでいきました。
女の子は大変驚きました。それらは全部この本に書いてある事ですから!
「お父さん、お母さん不思議の国は本当にあったのよ!」
継母や兄弟から毎日毎日蹴られたり殴られたりしていた女の子にはもう一掴みくらいしか理性など残っていませんでした。
ついに女の子は崖から飛び降りて
死んでしまったのでした
何年もたったある日女の子は
呟きます
寂しいわ。と、
(私が逝きついたのは)
(天国でも地獄でもなく不思議の国だった)
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