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…帰り道。
「愛斗くんって紳士だよね」
いつもみたいに、ふたり並んで歩きながら唐突に呟いたあたしの言葉に愛斗くんが苦笑した。
「何言ってんすか、いきなり」
「いきなりじゃないよー」
ずっと前から思ってた。
だって、いくら勉強に付き合ってあげてるとはいっても家の方向が正反対なのに毎回嫌な顔せずに家までキッチリ送り届けてくれて。
今だって、さり気なく車道側を歩いてくれてるし。
…って言うと。
「そんなの男として当たり前ですよ」
何を今更って言いたげな顔の愛斗くんが答える。
そういうところが紳士なんだよ。
「やっぱり愛斗くんってモテるでしょ」
こんなイケメンで紳士な男の子を、女の子が放っておくはずないもん。
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