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不意に、あたしの顔を覗き込んできた愛斗くんの顔は何故か真剣そのもので。
真っ直ぐ見つめるその瞳に、ちょっとだけドキッとした。
「えっと…」
最近、密かに気になってたのは愛斗くん。
なんて、そんなこと絶対に言えるわけがない。ただでさえ好きな子がいるって判明したばっかりなのに。
「…あ!もう家の前じゃん!送ってくれてありがとう。気をつけて帰ってね!」
答えるのが気まずくて、じゃあね!と手を振って逃げるように家の中に逃げ込んだあたしの後ろ姿に。
「……やっぱ鈍いじゃん」
小さく、呟かれた言葉に気付くことはなかった。
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