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本人曰く地毛らしい色素の薄い茶色い髪に、スッと鼻筋が通った鼻、男の子なのに長い睫毛。
……相変わらず、綺麗な顔してる。
そんな男が、真面目に勉強している姿は格好良さ五割増し。
「先輩、どうかしました?」
視線に気付いた後輩が、不意に顔をあげて。
あたしの顔を正面に捉えると、きょとんとした表情で首を傾げた。
「…っ、別に!ほらっ、喋る暇があるなら手を動かす!解き方忘れるよっ」
「……俺、さすがに今聞いたことを一瞬で忘れるほどバカじゃありませんけど」
まさか、見とれてました、なんて。
…そんなこと言えるわけがない。
慌ててまくし立てるあたしに、ボソッと文句を言って後輩は再び問題集へと視線を落とした。
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