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ブロンフォード王国の王都クラマリエの中心、ブロンフォード城。
その客間で、一行は次の目的地について話し合っていた。
「――マーシー様に会う!?」
カノンが声を張り上げた。
「このまま何も知らないまま戦うのは気持ち悪くないか?」
「それは、そうだが……」
カノンはあまり気乗りしないらしく、目でジェイドに訴える。
“お前には魔王がいるだろう”と。
確かに近さで言えば魔王の方が近い。
しかし――
「親父も知っているとは思うが、今、お前たちを連れて戻るのはマズイ」
もちろん建前である。
相変わらずイスと一体化している魔王を、誰かに会わせるわけにはいかないのだから。
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