Act.12 集う力

14/16

1182人が本棚に入れています
本棚に追加
/232ページ
「まったく……って、あんたこそ一緒に来てよかったの?マーシー様に言われたからといって、本来無関係じゃない」 「そうだな。無関係だ。でも、今まで選ばれた多くの勇者がそれじゃ報われないだろ」 真実を知らされず魔王に倒されていった歴代の勇者たち。 世界平和のために犠牲になった彼らを思うと、フェイスだって黙っていられなかった。 それに今回の勇者は魔王を倒すための勇者ではない。 長い歴史の裏で世界を操ってきた存在を倒すための勇者だ。 何とも小気味よい話である。 「オレの剣が誰かの役に立てるなら、これ以上名誉なことはないさ」 そう言い切ったフェイスからは打算が感じられなかった。 純粋に誰かの役に立ちたい。 ああ、だからマーシー様はフェイスを選んだんだ、とエリカはひとり勝手に納得した。 そしてタイミングよく船長から、もうすぐ到着だと連絡が入り、エリカとフェイスはスカーレットの所に戻った。
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1182人が本棚に入れています
本棚に追加