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「まったく……って、あんたこそ一緒に来てよかったの?マーシー様に言われたからといって、本来無関係じゃない」
「そうだな。無関係だ。でも、今まで選ばれた多くの勇者がそれじゃ報われないだろ」
真実を知らされず魔王に倒されていった歴代の勇者たち。
世界平和のために犠牲になった彼らを思うと、フェイスだって黙っていられなかった。
それに今回の勇者は魔王を倒すための勇者ではない。
長い歴史の裏で世界を操ってきた存在を倒すための勇者だ。
何とも小気味よい話である。
「オレの剣が誰かの役に立てるなら、これ以上名誉なことはないさ」
そう言い切ったフェイスからは打算が感じられなかった。
純粋に誰かの役に立ちたい。
ああ、だからマーシー様はフェイスを選んだんだ、とエリカはひとり勝手に納得した。
そしてタイミングよく船長から、もうすぐ到着だと連絡が入り、エリカとフェイスはスカーレットの所に戻った。
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