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ピピピッ…ピピ…
目覚まし時計だけで目が覚めた。
ベッドの下に乱暴に置かれた松葉杖を見て昨日の記憶が蘇る。
『もう、バスケは…』
そんなことを思い出したら、二度寝なんて出来なくて。仕方なく制服の袖に腕を通した。
「おっはよ!」
「え?うそ、アサキ?!
ちょ、カズ!アサキが起きてる!」
「アサキ熱でもあるんじゃない?」
「えー、なにそれ!酷くないっ?」
前と同じで変わらない家族。
同じように見せる俺の笑顔。
変わったのはもうバスケが出来ない俺の脚。
ひょこひょこと慣れないながらもちゃんと歩く。
「ジンっ 超美味い!」
「当たり前でしょ?ジンくんお手製なんだから」
「へへへ そーだねっ」
ジンの手料理も相変わらず美味い。
カズの笑い方だって変わらない。
変わらない兄弟と変わった俺。
、
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