本間拓哉の政策

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桐谷家が誕生してから約1年がたった今、二毛作に取組んでいた拓哉と小一郎は百姓達の協力もあり二期作を完成させる事が出来た。 「小一郎1年間御苦労様!百姓達が協力してくれたのも、小一郎の仲介があってこそだ。」 拓哉は器用な人間ではない。その分一つの事に集中し確実に物事を完成させる人間なのだ。 その為、1年間田畑の事のみを学び考え時には挫折し、それでも諦めずに二期作実現を成功させたのだ。 「いえ、拓哉様のお考えが民の為に行われる事なので、民達も理解し積極的に協力してくれたものと。」 小一郎は、拓哉の真面目に取り組む姿勢に民からの信頼を集めていた事を知っていた。 桐谷家の重臣である拓哉が民に教えを請い、時には共に農作業を手伝う姿は、この時代の武士では考えられない事だったのだ。 下級武士なら農作業をするが拓哉は、桐谷家の重臣である。農作業を手伝う身分ではないし、百姓達に一から農作業を教えてくれと頭を下げる事は、身分社会の戦国時代には考えられない事なのだ。 現代人である4人は目上の人に対する礼儀は充分学んでいるため、拓哉が百姓であるが年上の人に対し礼節を尽くすのは当たり前だと思っているのだ。ましてや農作業を教えてもらう身なのだ。 民達は最初変わった御武家様だと噂をしていたが、二期作は百姓達の収入を増やす為だと理解すると、噂をする者は一人もいなくなっていた。 拓哉は自分自身自然な行動をしていたのだが、拓哉な民達からの信頼を一身に浴びていた。
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