本間拓哉の政策

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拓哉は小一郎と共に二期作完成を祝い百姓達と宴会をしていた。 「ははは!小一郎もっと飲めよ。」 程良く酔っている拓哉は上機嫌の様だ。これだけの酒を飲んでも顔色一つ変えないとは酒豪である。 ガシャーンッ 小一郎に酌をしようとするが、酔い潰れてしまい料理の中に頭からダイブしていった。 程良くではなく限界が来ていたのだ。顔色は変わらないが、相当酔っ払っていた様だ。 「拓哉様少し飲み過ぎですよ。」 小一郎そう言うと近くの者を呼び、隣の部屋に寝かした。 「…皆が…笑顔…ムニャ…」 小一郎は拓哉の寝言を聞き、桐谷家の方針を1つ理解した。 小一郎から見た桐谷家の方針は、合理的で理想的な政策であったが、何を目指しているのかが理解できなかったのだ。 何故資金を全て民と兵と子供に使うのか?桐谷家の重臣と呼ばれる人達は、誰一人贅沢をしようとはしなかった。 二期作を通して資金が増えようと桐谷家は、新しい政策にその資金を使うだろう。 小一郎はこの一年間疑問を抱いていた。 だが一つ謎が解けたのだ。 (他の方の考えは存ぜぬが、拓哉様は皆が笑顔の国を作りたいのだろう。) 小一郎は拓哉の政策に新たな期待を胸に部屋を出て行った。
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