本間拓哉の政策

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二日酔いが治った拓哉は、小一郎と次の政策について話合っていた。 「とりあえず人手が足りないなぁ。小一郎…木下家に俺達の手伝いを出来る人はいないのか?」 拓哉は地主達が今回出してきた書物を見ながら呟いた。 それもそうだ。桐谷家は2000石の領地があり、領民の人数は5000人を軽く超えていた。 その数の帳簿を2人で管理するには無理がある。 優秀な人材を発掘する為の桐谷塾は、日が浅い為に卒業生が出るまで人材派遣が出来ないので、小一郎の一族で人材を探す事にしたのだ。 「明日までに集めときます。何故帳簿を付けようとお考えになったのですか?」 小一郎はそんな事は、地主達に任さればいいと考えていた。そうすれば、自分達は最終のチェックだけで済むからだ。 「俺達が次にする事は検地だ。確実な石高と領内の土地と民の把握だ。そうすれば、一部の権力者の横暴を知る事ができよう。」 「な…」 小一郎は拓哉の考えに驚かされた。拓哉は領内を正確に把握する事で、権力者の横領を探り権力を取り上げるつもりなのだ。 これでは領内の権力者達は、桐谷家の支配を恐れ反旗を起こす恐れがある。 だが領内の権力者達は拓哉の検地の意味を知るだろう。 そして反旗を起こした者達は知るだろう。たった1年間の桐谷家の支配力の強さを。
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