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ヤツは、俺の血を養分に、次の世代を何処かで産み育てるのだろう。 蚊取り線香の煙はヤツらには及ばず、ヤツらは身を潜めているのだ。 そんな事を考えるが、だからどうこうと言う訳もなく、何もかもがどうでも良かった。 俺は古惚けた畳の上に、怠惰な四肢を放り出した。    プーン、       ぷぅん、  ぷぅ……ン 小さいが、不快さを際立たせる音が耳に障る。 だが、それを追う気力も暑さの前で失った俺は、そのまま畳の上で横になり、古惚けた天井を見つめるだけだった。 いつの間にか眠っていたのだろう。 何かの気配に目を覚ました。 相変わらず、あのか細いが、神経を逆撫でする音が、何処かから聞こえてくる。 だがその不快さは、俺の身体に落とされる、柔らかな感覚に消し飛ばされていた。
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