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広場へと差し掛かると、青い髪を風に靡かせる少女が佇んでいた。
「マルシェ…か?」
何故ここに居るのだろうか。
そう思いつつ、マルシェへ声を掛ける。
「よう。どうしたんだ?」
俺の声に顔を振り向かせたマルシェは、一つ笑顔を作って見せる。
「あ、お早う御座います!」
挨拶をした後、俺の傍へと歩み寄ったマルシェは、自身の胸の内を言葉にする。
「私も一緒に行きます!」
「…はい?」
「ですから…私も同行させて下さい!」
両の黒い瞳には、はっきりとその決意が浮かび上がっている。
さて…どうしたものかな。
「家族はどうする?お前は貴族だろう?」
「ミルシェが居ますから」
「ああ、そう…」
忘れてたよ…
マルシェが双子だって事。
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