王都へ向かおうっと

4/45
34095人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
無難にロングソードあたりかね? 一振りのロングソードを手にし、軽く振ってみる。 悪くは無い。 だが今一つだ。 選びかねていると、店員が徐に声を掛けてくる。 「お決まりですか?」 「いや、まだです」 すると店員はレジの奥から二本の短剣を手に持ってくる。 双剣の様だ。 「これなんかどうでしょう?」 そう言って俺に手渡す店員。 両手に双剣を持ち、「ふむ…」と呟きながら感触を確かめる。 …良いかもしれない。 デザインも悪くない。 片方は刃の中心に赤いラインが真っ直ぐ一本、刀身を彩っており、片方は青いラインが同様の仕様であった。 …これにするかな。 「それじゃ、これと…果物ナイフを一本下さい」 店員は頷くと、レジへ商品を持ち運ぶ。 未だ魔銃を見つめるカルラの傍へ行き声を掛けた。 「俺は決まったぞ」 ハッと振り返るカルラ。 その手には一丁の拳銃が握られていた。 「…それ欲しいのか?」 俺の問いかけに小さく頷くカルラ。 値段は…金貨62枚!? 何この価格… 「……」 カルラは無言でそれを元の場所へ戻す。 えええい! 買ってやるわ! 俺は戻された魔銃、”エクスぺリア200X”を手にレジへ向かった。 「え…悪いですよ!いいですから!」 あたふたとカルラが俺を止めにかかる。 だがしかし! 買うと決めたら買う!
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!