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「さて…旅の準備も終わったし…そろそろ行くか?」
それ程長期滞在していた訳ではない。
だが、いざ出発となると名残惜しい。
「名残おしいか?」
それを見透かした様に、隣でウェルがニヤニヤと笑う。
「そうだな。少しだけな」
「お…今日は太っ腹な上に素直じゃの?」
「やかましいわ。行くぞ」
軽く照れ混じりに否定しつつ、街の入り口を目指し歩き始める。
やれやれ…と月並みなリアクションをとったウェル。
何だか嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「次はどこへ向かうかの?」
定住場所を決めるまで、色々回ってみてもいいかもな。
「さあな。どこでもいいんじゃないか?」
軽く笑いながらそう言うと、ウェルはニッコリと笑う。
「まあ、我はお主についていくだけじゃ。お主のしたい様にすればよい」
以前と何処か同じセリフを吐きつつ、少しだけ先を歩くウェル。
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