戦闘とか面倒臭い

74/75
34096人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
「…辛かったな」 陳腐な言葉だが、それ以外に掛けられる言葉が見つけられない。 ゆっくりとカルラの頭をなでる。 嗚咽を漏らすカルラ。 それが止まるまで、俺はゆっくりと優しく頭を撫で続けた。 復讐なんて下らないと思う。 だが、それで気持ちが晴れるのなら…そうすればいい。 「…一緒に行かせて下さい…お願いですから…」 震える声は当時の辛さを物語る。 そうか…消えない傷は俺だけが持つものじゃないもんな。 先程まで連れて行くつもりは微塵も無かった。 それが今揺れ動いている。 悩むくらいなら連れて行こう。 復讐に手を貸すつもりは無いが。 「…わかった。だけど、俺は仇討に手を貸さないぞ?」 そう告げると、カルラは小さく頷いた。 「自分でやらなければ…意味はありませんから」 そう俺に言いながら。 お互いに苦笑を向けあう。 俺達は無言で部屋を出た。 行先はガルルンの部屋。 カルラを同行させる旨を説明する為だ。
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!