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「愛とはなんなのかしら?」
弁当を片付け、腹を満たして満足な昼休み。
僕に相対するは長屋。
しかし議題が随分と漠然としているな……
「愛かぁ……いつの時代もある疑問だよな、それ。 見えないものを理解するっていうのは難しいしな」
「あら鈴利くんが珍しくそれらしいことをいうじゃない。 謎の人物に鈍器で頭を殴られて賢くなったのかしら?」
「僕は朝から、謎の人物に鈍器で頭を殴られるような愉快な生活はしていない!! と言うか僕はそんなに深刻なレベルで頭が悪いわけじゃない!!」
僕のツッコミを聞いて邪悪に笑う長屋はカバンからおもむろにミネラルウォーターのペットボトルを取り出した。
そしてフタを開け、おもむろにペットボトルの中のミネラルウォーターを飲む。
やけに色っぽく見えるのは気のせいか?
「…………はあ、おいしいわ」
「そうかい、そりゃよかったよ」
何がしたいんだこの娘は……
「なによ、その物欲しそうな顔は」
「してねーよ、そんな顔」
「嘘ね。 この私が飲んで口を付けたこのペットボトルの飲み口をベロベロと舐め回したいと顔に書いてあるわよ?」
「んなもん書いてあるか!! てか思ったんだけどさ……」
「何よ、使い終わって残ったティッシュの箱のような存在の鈴利くん」
そりゃ実に不要なもんだな。
どんだけ僕の価値を下げたいんだよ!!
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