透明少女と幽霊少年

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「元だけどね」 今は君の守護霊さ、とか言ってるけど、私は一切承諾した覚えは無いんだけど……まぁ、今はその話じゃないからいいや。 「七不思議があるって事は、あんたを見たり、話した事ある人が居るんじゃないの?」 「由真ちゃん……もしかして、七不思議の内容知らないの?」 「うん」 あんたに会うまでは幽霊否定派だった。っていう事実は隠しておこう。今言ったら絶対にややこしい事になって、話が脱線する。 「あのね、僕の話はね―― 屋上で飛び降りた男の子の幽霊が、自分が死んだ事に気づけずに、ずっと飛び降り続けていて、見た人は屋上から飛び降りて死ぬ。 っていう話なんだけど……」 「それ、絶対にあんたじゃないでしょ」 話を聞く限り、その飛び降りた男の子って言うのは絶対に100%こいつじゃない。だって、まずこいつは自分が死んだ事にばっちり気づいてるし、あきらかに屋上で飛び降り自殺するとかそういう奴じゃない……と思う。まぁ、それ以前に、決定的に違う所あるしね…… 「あ、ばれたかー。初代屋上の少年は成仏したよ」 「ばれるとかばれない以前の問題だ。あんた、うちの制服着てないじゃない」 そうだ、ジュンはこの学校の指定のブレザーじゃなくて、別の学校の学ランを着ている。別の学校なのに、わざわざうちで自殺する意味が分からないし、自殺するために他の学校を選ぶ奴は居ないと思う。 「ばれたか」 「ばればれよ!」
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