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「ある日のこと、いつものように僕が浮遊霊ライフ楽しんでいたら、いきなり初代屋上の少年に捕まってさ、はれて二代目屋上の少年になったわけ」
「そういえば、あんたは飛び降りないのね」
「だって、僕の死因は列車事故だしさ。こう、いきなり、どーんっ! て、突き飛ばされてさー」
物凄くさっらと笑いながら、凄いえげつない死因言われた気がするけど、ここで突っ込んだら負けよね。事故というより、殺人だという事を突っ込んだら負けよね……ていうか初代、なにやってんだ、初代。他人というか他霊? を二代目にせずにおとなしく成仏しなさいよ。
「そんな僕は、七不思議を実行しないので、消えてしまうかもしれないのです」
「あ、そう」
「えぇ?! そこは『じゃあ私が助けてあげるね!』とかじゃないの?」
「だって、消えるってことは成仏でしょ? 良い事じゃない」
消えるんだったら、このままほうっておく事がこいつのためよね。私なんかの守護霊になるくらいなら、成仏した方が良いに決まっている。
「消えるのと、成仏はまた違うよ。由真ちゃん」
「一緒でしょ。消えてこの世からあの世に行くんだから」
「違うよ。今の僕は七不思議の幽霊。それが、不思議を実行しないなら、成仏も出来ずこの世もあの世からも消えるんだ。永遠に消滅しちゃうんだ」
ジュンはへらへらした笑顔を引っ込めて、真面目な顔をしてそう言ったから、私は何もいえなくなってしまった。
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