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「――っ、それと、私の守護霊になるの、何か関係があるの?」
「良くぞ聞いてくれました!」
若干おっかなびっくりしながらそう尋ねると、さっきの真面目な顔は何処に行ったのやら、少し前までのへらへらした笑顔に戻って、嬉しそうに言った。おい、さっきまでのシリアスっぽい雰囲気は何処に消えたんだ。
「七不思議の宿命から逃れるには、初代と同じように誰かに擦り付けるか、誰かの守護霊とか土地の守り神とか、そういうのにならなきゃいけないのです!」
「じゃあ、誰かに擦り付ければ良いじゃない。そしたら、あんたは成仏できて、私は普段通りの影の薄い生活に戻れる」
「いやいや、擦り付けたらその相手は、僕と同じ葛藤の中で、過ごさなきゃいけないでしょ?」
「葛藤はあったのね……。で、結局守護霊コース……と」
「うんっ!」
それはもう素晴しい笑顔でそう言ってくれたが、こっちとしては迷惑以外の何物でもない。だって、屋上にサボリに来たら、いきなり「守護霊になります」って言われるんだよ? 何のドッキリかと思うじゃない。
「他の人に頼んでよ、面倒臭い」
「でもさ、屋上に来るの由真ちゃんぐらいだよ?」
「マジで?」
「マジで」
初耳すぎる。そういえば友達に屋上に行こうと誘ったら、丁重に断られた事あったなーあの時は理由が分からなかったけど、なるほど、七不思議のせいか。
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