透明少女と幽霊少年

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「まー、そんな誰も来ないはずの屋上でサボル由真ちゃんをずっと見ててさ、なんかね、守ってあげたいな、そう思ったわけです」 「お回りさーんストーカーでーす」 「いやいや、通報しないで! というか通報しても意味無いからね、僕一応これでも幽霊だから!」 「じゃあ、お坊さーん、ストーカー幽霊がー」 「やーめーてー!!」 冗談なのに、まじになって面白い。あれか、幽霊にとってお坊さんは天敵かなんかだからかな。念仏唱えられて成仏とか、よく真夏にやっている心霊特集でよくやってるし。 「ねぇ、お坊さんって天敵かなんか?」 「ん、んー……本当に除霊とか調伏の力があるお坊さんならそうだけど、ただのお坊さんなら違うよ」 「なんだ、つまらない」 「え、なにその反応」 私の反応に、異常な怯えを見せるジュン。あー、もしかして、私が成仏させようとか考えてるとか思ったのかなこいつ。 「あー、別に成仏させようとかそういう考えは一切無いから」 「な、ならよかった……」 成仏したら由真ちゃんの守護霊になれないところだった。とか言うこいつを見て、本気で除霊の力持っているお坊さんに突き出してやろうか、っていう考えが一瞬よぎった。まだ、諦めてなかったのね。
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