3人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、あんたが私の守護霊になりたい理由とかは、よーくっ分かった」
「じゃあ、いいんだね!」
「いやだ」
「えー?! あそこまで話し聞いておいて、駄目とかないよっ!」
文句を叫ぶジュンだけど、いやに決まっている。見ず知らずの男の子、しかも幽霊にいきなり守護霊になるって言われて承諾する女の子、いるって言うなら見てみたいわ。例えいたとしても、私は嫌だ。
「あんた、は私の事どれだけ知ってるか知らないけど、私はあんたの事何も知らないでしょうが」
「知ってるじゃん、僕の名前と死因」
「あのね……それであんたの何が分かるの」
「うーん……でもさ、そもそも守護霊の事、細かく知る必要って無くないかな?」
「そ、それもそうだけど」
痛いところをつかれた。ここで諦めさせて、私は二度と屋上に近づかない、っていう寸法だったのに……それを言われたら、断れなくなるじゃん!
「でも、こうして会話ができるって事は、これからも話す機会があるかもしれないって事でしょ? そんな時話題が合わなかったら、困るでしょ?」
「僕は由真ちゃんと話が出来るだけで幸せだよ?」
「……」
逃げ道が無い。え、なにこれ? このまま、こいつを守護霊にしなきゃいけないっていうパターンなの?
最初のコメントを投稿しよう!