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「由真ちゃん……僕じゃ駄目、かな?」
「うっ……」
捨てられた子犬のような目で、私を見るジュン。確かに、断る理由はこれでなくなってしまった。何だかんだ言って、こいつとは会話は成立してるしな……というか、どういう言い方だよ。僕じゃ駄目かな、とか告白じゃないんだから。
「そういえば、私に元からいる守護霊とかはいないの?」
「うん。ずっと由真ちゃんを見ているけど、そんな霊見たこと無いよ」
「マジで?」
「うん、マジ」
なんという。今まで、私には多分守護霊とかいるんだろうと思ってたけど、いなかっただなんて。とりあえず、テレビとかで「人はみな守護霊がいるのです」とかほざくインチキ霊能力者をぶん殴りたくなった。
「じゃあ――」
「由真ーっ!」
言いかけたところで、いきなり屋上のドアが開いて、友達の沙耶ちゃんが入ってきた。あぅ、サボっているのがばれてしまった。まぁ、サボっているのはいつもの事だけどね。
「また、屋上でサボって! 先生めっちゃ怒ってたよっ」
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