透明少女と幽霊少年

9/10
前へ
/11ページ
次へ
「由真ちゃん……僕じゃ駄目、かな?」 「うっ……」 捨てられた子犬のような目で、私を見るジュン。確かに、断る理由はこれでなくなってしまった。何だかんだ言って、こいつとは会話は成立してるしな……というか、どういう言い方だよ。僕じゃ駄目かな、とか告白じゃないんだから。 「そういえば、私に元からいる守護霊とかはいないの?」 「うん。ずっと由真ちゃんを見ているけど、そんな霊見たこと無いよ」 「マジで?」 「うん、マジ」 なんという。今まで、私には多分守護霊とかいるんだろうと思ってたけど、いなかっただなんて。とりあえず、テレビとかで「人はみな守護霊がいるのです」とかほざくインチキ霊能力者をぶん殴りたくなった。 「じゃあ――」 「由真ーっ!」 言いかけたところで、いきなり屋上のドアが開いて、友達の沙耶ちゃんが入ってきた。あぅ、サボっているのがばれてしまった。まぁ、サボっているのはいつもの事だけどね。 「また、屋上でサボって! 先生めっちゃ怒ってたよっ」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加