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「ねぇ、イエヤスってば……」
「止めておけ、ヒデヨシ。
おそらく、イエヤス殿は
祈願でもしているのだろう。
参拝したいと志願した位
だからな……。さて、我々は
『紅榛名』について
調べるとしよう……」
荒れた出雲大社を調査する
ミツヒデ達。
(フフ……、ついにここを
嗅ぎ付けたか……)
その時、出雲大社を眺める様に
『毛利 輝元』が一人
訪れていた。
「……どうだ、そっちは?」
「……それらしいのは
見つからないね」
「こっちも……」
ミツヒデ達が色々探索するも
『紅榛名』の手掛かりとなる物は
見つからなかった。
「『蒼榛名』を奉っていたのは
確かだから、せめて
『紅榛名』の存在を
記した書物でもあるかと
思っていたが……。
私の読みが外れたか……?
仕方ない……。一旦
イエヤス殿の所へ戻ろう……」
再び、本堂へ引き返す
ミツヒデ達。
しかし、そこには祈願していた
イエヤスの姿は無く……。
輝元が座っていた。
(……む?あれは……。
輝元殿ではないか……?
どうして、かような所に……)
ミツヒデ達が輝元に近付き
呼び掛ける。
「久しいな、輝元殿……」
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