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オウガイとの戦いから
半月が経過した。
戦国乙女達による
オウガイが占拠していた領地を
分配する会議は終わったものの
肝心の『紅榛名』が
消息不明のままでは
まだ天下を納めた事には
ならない。
その証拠に、それぞれ平穏を
保っている様に見せ掛けておき
水面下では、ある乙女は忍を使い
またある乙女は兵を使い
草の根を分ける様に『紅榛名』を
探索させていたのだった。
何故ならば、北条が預かる
『蒼榛名』もまた、乙女達が
狙っているからだ……。
また、不治の病や戦によって
倒れる武将も多い戦国の世なので
平均寿命が37.5歳と意外に短い。
『世継問題』と言う意味でも
『戦国乙女と共にオウガイを
討伐した唯一の男』と言う
多大な実績がある北条は
貴重な存在でもある……。
もし『紅榛名』捜索中に
北条が他の乙女と契られたら、
『蒼榛名』は実質その乙女が
握る事になり、天下統一には
邪魔な存在となる。
そうならない為にも、
絶えず乙女達は兵を使い
お互いを警戒しているのだ。
北条もまた、乙女の紅榛名探索に
支障をきたさぬ様、
乙女達や忠臣達の数々の
誘惑に耐えながらも、
協力していたのだった……。
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