碧壱章 紅榛名の行方

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大阪城、北条の部屋。   「う、う~ん……」   チュン、チュンと鳴く 雀のさえずりと窓の日差しで 目を覚ます北条。   (良く寝たな……。さて 顔でも洗うか……)   北条が起き上がろうとして 着いた右手が、何かムニュと 柔らかい物を感じる。   (何だ、この……?手に 吸い付くようなスベスベした 触感は……。 まるで人肌を直に 触っている様な……)   何かに気付く北条。   (待て……。 ひ と は だ だ と ?)   錯覚だと思いつつ もう一度確認してみる北条。 ムニュ、ムニュ、ムニュ。 (ん?柔らかさの中に、 部分的に固い物が……)   「あぅっ……」   更に女性の微かな喘ぎ声が 聞こえてくる。   (まさか……)   ゆっくりと右手の方へ 視線を落とす北条。   (外れてくれ……、頼む!)   (最高です……)    15 R 大 当 た り !   それはイエヤスの胸で 既に人差し指が登頂していた。   「うわっ……!」   手を離す北条。   (なっ……!なんで、イエヤスが 俺の布団の中に居るんだ!?)   「ぅ……?」   北条の声に反応して 目覚めるイエヤス。
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