運命の扉

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走って走って漸く着いた昇降口。辺りを見回してもやはり人気がない。 そして、刹那に感じる違和感。 世界にたった独りきりになったような感覚。 天音は思わず身震いをした。無人の学校という、閉鎖的な空間から一刻も早く出ようと、天音は急いで靴を履き替える。 激しい雨音や雷鳴に次第に体が震えだす。頻りに辺りを見回しながら、靴を履き替えた。 そして、天音は昇降口を出た。 次の瞬間。 「きゃあぁっ!」 耳に残る凄まじい轟音と、眩い光が天音の目の前に広がった。 瞬間的に天音は目の前に雷が落ちたのだと思った。 目をギュッと瞑って小さくなっている天音。そして気付く。 ――私、死んでない……? そう。目の前に雷が落ちたにも関わらず、天音の意識はあり、意外にも冷静に物事を思考出来ているのだ。
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