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天音は恐る恐る目をゆっくりと開けた。すると、天音の目に大きな古い扉が飛び込んできたのだ。
さっきまで存在していなかった古い扉。その扉には綺麗な金の装飾が施してあり、左右には門番のように2匹の獣が彫ってあった。
「え……っ!? 何なの、これ……!?」
天音は目を丸くし、酷く狼狽した。どうしたら良いかわからず、ただただ扉を見ていることしか出来ない。
そんな時、何処からか女性の声がしたのだ。
『……の……らを……の……。今……その……を……て……』
「え……?」
――良く聞こえない……。けど……、この扉の中から聞こえてくる……?
天音は恐怖で震える身体を押さえ、耳を済ましてその声を聞き取ろうと全神経を集中させる。
声はフィルターがかかったかのように聞き辛かったが、必死に天音は聞こうとした。
『女神の力を継ぐ者よ……。今こそ力を世界の為に解き放て……!!』
そう聞こえるや否や、扉がゆっくりと軋んだ音を立てながら開いたのだ。
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