645人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「何なの……? 一体……何がどうなってるの……?」
天音は今自分の置かれている立場が分からず、その場から動けなくなってしまった。
開かれた扉の中には、禍々しい空間が広がって闇が渦巻いている……。
――これって……、私に入れってこと? でも、この扉の中の空間は何……? まるで異次元……、それともブラックホール……?
だが、何よりも支配するのは恐怖の感情……。
――この扉に入ったら……私はどうなるの……?
この場から逃げ出したい衝動に駆られるが、身体はまるで金縛りにあったように動いてくれない。
そんな時だった。
『タスケテ……』
「……え?」
急に先程とは全く違う声が聞こえてきた。しかも、それは複数の声。
『タスケテ……!』
『違ウ……彼女ハ悪クナイ!』
『誰デモ良イカラ……彼ヲ救ッテ……』
救いの手を求める声……。懇願するかのように、天音に訴えてくる。
最初のコメントを投稿しよう!