運命の扉

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――どうなってるの……? 助けて、って……。中で何が起きてるの……? 天音がそんなことを考えている間も、声は絶え間なく助けを求め続けてくる。 天音は恐怖に駆られながらも立ち上がり、一歩ずつ慎重に扉に向かって進んで行く。 金縛りにあったかのように動かなかった筈の体は、すんなりと動かすことが出来た。 扉の前まで来ると、また初めの声が聞こえてきた。 『女神の力を受け継ぐ者よ……、どうか彼等を助けて……。貴方にしか出来ない事なの……』 天音はその声を聞くと、ギュッと手を握り締め深く深呼吸をした。 ――戻ってこれる確証は全然ない……。けど、扉の向こうで助けを求めている人達がいるのなら……私は、助けてあげたい……。私にしか出来ないなら、尚更見捨てられないよ……!! そう決意し、天音は勢い良く扉の中に駆け込んで行った。すると、扉は軋んだ音を立てて閉まっていく。閉まる直前に、誰もいない空間にまた女性の声が響いた……。 『そして、…………を救って……』 声と同時に扉は虹色の光りに包まれ姿を消した。 雨は、もう上がっていた……。
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