運命の扉

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「あ~あ……、何で俺が姉さんの使いなんか……」 一人の少年がそう呟きながら小さな森の小道を歩いていた。 少年は金の髪をしていて額にバンダナを巻いている。 「あと1時間以内か……。こういう時に転移魔法が使えたら楽なんだけど……俺は空間系の魔法なんか使えねぇしなぁ……」 少年はそんな愚痴をこぼしつつも、姉と形容している人物の逆鱗に触れないよう歩くスピードを少し上げる。 と、少年は不意に物凄い魔力の高まりを感じて上を見上げた。 圧倒されるような魔力……。知らず知らずの内に少年の手は汗をかいていた。 その時。いきなり上空に歪みが出来始め、空に扉が現れた。 扉がゆっくり開かれたかと思うや否や、中から少女が具現化されたのだ。 そして少女は『落ちてきた』……。 「え……、ちょっ……嘘……、きゃあぁぁぁぁ!?」 少女は悲鳴を挙げながら少年に向かい急降下してくる。 「……は? 嘘だろ……!? 何で急に空に扉が? ……って、そんなことより助けねぇと……!」 少年は素早く手を上にかざし、神経を集中させる。
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