『姉さん』と帝国

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「……私、言ったわよね? 今の時間の10分前には戻って来て、って……」 彼女はまだにこやかな笑みをリオンに向けている。しかし、声には確実に棘がある……。 「いや……、その……これには深い理由ガアリマシテデスネ……」 リオンは冷や汗をダラダラと流しながらそれに答える。 だが、目は完全に泳ぎ、言葉はカタコトになっている。 「……リオン」 彼女の目つきがキッ、見開かれてキツイものに変わった。 まるで、獲物を狙う鷹のような目でリオンを見る。 「ヒッ……!」 「……覚悟は勿論出来てるんでしょうね……?」 彼女は額に青筋を浮かばせてリオンを睨み付け、手をボキボキと鳴らし今にも戦闘体勢に入らんとしていた。 「ヒー!! ごめんなさい、スイマセン、お許しくださいませソプラお姉様ー!!」 「……『ソプラお姉様』? ……って事は……この人リオン君のお姉さんなの?」 天音は不思議そうな顔で2人を見る。そして、気付く。 ――この人……夢に出てきた人だ……。
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