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「……あら? 貴方は?」
彼女はようやく天音に気付いたらしく、質問を投げ掛ける。天音は夢で見た女性が話し掛けてきたことに驚いたものの、慌てて挨拶をした。
「あ……、私は高梨天音と言います」
「彼女が空から落ちて来たから助けたんです……。だから……その……」
リオンは姉と呼んだ彼女の顔を伺い、しどろもどろになりつつ天音の言葉に付け足す。
すると、女性の顔つきが驚きに満ちた顔に変わった。
「……貴方が……」
「え?」
彼女は天音の前までスッと歩いて来て片膝をついて頭を下げた。
「へ?」
天音は分けがわからず狼狽えている。
女性はそんな天音を気にする様子もなく、天音の右手を自身の右手の上に乗せ、手の甲に軽く口づけた。
「ふぇ!?」
「姉さん!?」
天音は顔を赤くし、リオンは顔を青くし驚いた。
「……待っていました。異界の『女神の力を受け継がれた』貴方を……」
彼女は優しい眼差しを天音に向けて、そう言った。
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