『姉さん』と帝国

5/9

645人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「その言葉……女神の何とか……って、私が扉に入る前に聞いた言葉だ……。それに、貴方の声……」 「『女神の力を受け継ぐ者』……、つまりは『選ばれし者』……。それが貴方なのよ、天音」 彼女はニッコリと笑って続けてこう言った。 「私の名前はソプラ・アンバース。貴方をこの世界に呼び出したのは私よ。貴方が扉に入る前に聞いた声も私」 「ソプラさんが……私を……?」 「えぇ、そうよ」 天音の疑問にソプラは小さく頷き、肯定の言葉を示す。天音は少し戸惑ったあと、勇気を出してソプラに尋ねた。 「……あの、何で私が……?」 「……立ち話もなんだし、その事についてはお城の中でゆっくり話すわ」 ソプラは周りを警戒するように見て、言った。そして、視線をリオンに移して口を開く。 「……それよりも、リオン」 「は、はい……っ!」 「グッジョブ!」 「はい!?」 ソプラはニヤリと笑いながら親指を立ててリオンに言った。 「あんたのおかげで天音は迷うことなく王国の城に来れた。本当感謝してるわ」
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加