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「最後の『空間魔法』は……、これはちょっと高度になるわ。簡単に言えば、空間をねじ曲げて転移する魔法だからね。例えば、この国から他の大陸に行くことだって出来るの」
「凄い……」
天音は素直に感嘆した。ソプラはそんな天音を見て微笑み、話を続ける。
「因みに、これは高い集中力を要するから出来ない人が多いわ。現にリオンも出来ない」
「そうなの?」
「う゛……」
天音に問われ、リオンはあからさまに苦い顔をした。
「……けど、リオンは私には使えない精霊魔法を使えるの。リオンは『炎』の精霊……『サラマンダー』に認められた唯一の人間よ」
「リオン君が……?」
「んー、一応な」
「けど、リオンには精霊は見えないらしいわ」
驚き、目を丸めた天音にリオンは苦笑しながら認めた。
ソプラはここで一呼吸置いて、天音に真剣な眼差しを向ける。
「……天音、元の世界に戻りたい?」
「え? えぇ……、それはまぁ……」
「なら、この世界を旅しなさい。そして……世界を救わなければ貴方は元の世界に戻れないわ」
「……え……?」
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