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「ちょ……、待って下さいよ。それってどういう事ですか……?」
天音は戸惑いながらも、未だ真剣な眼差しを向けてくるソプラに慌てて問う。ソプラは居心地悪そうにして、こう答えた。
「いきなりこの世界に呼び出して、悪かったとは思ってるわ。……けど、貴方しかいないのよ」
「何がですか……?」
「世界を救えるのは」
『世界』。何て規模の大きな話だろう。
世界の行く末をソプラは異世界の少女に託そうとしているのだ。天音はその事実に酷く狼狽した。
「ま……っ、待ってください! 幾ら何でもそんなの無理ですよっ!」
「何故?」
「何故って……、私何をしたら良いかもわからないし……。第一魔法だって使えないのに……!」
「使えるわ」
「……え……?」
その言葉に、天音は思わず呆然とした。当たり前だ。まるでお伽噺のような事を言われたのだから……。
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