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「魔法が使えるのよ、貴方には……。異世界にいながらも魔法を扱える素質を持って貴方は産まれたの。この世界ではその人達の事を『女神の力を受け継ぐ者』と言うのよ」
「でも……!」
「それに、貴方は現に私達の目の前にいるわ」
「……っ……」
まるで夢物語のような話を、ソプラはキッパリと断言した。
天音には世界を救う力がある、と……。
魔法が使えるなんて、天音は信じられなかったし、何より。自分にそんな大層な力があるとは思えなかった。
しかし、ソプラは構わず話を進める。
「それに、そうしないと貴方は元の世界に戻れない。……本当に貴方には悪いと思ってるわ。見ず知らずの地で、見ず知らずの人の為に命懸けで旅をしろだなんて……」
「……天音……」
リオンは心配そうな顔を天音に向ける。ソプラは苦しそうな表情を浮かべ、天音を見ている。
天音はキュッ、と唇を噛みしめ、俯いていた顔を上げた。
「……分かりました。やってみます……」
天音は決意の意志を示した。
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