魔法講座

7/11

645人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「魔法が使えるのよ、貴方には……。異世界にいながらも魔法を扱える素質を持って貴方は産まれたの。この世界ではその人達の事を『女神の力を受け継ぐ者』と言うのよ」 「でも……!」 「それに、貴方は現に私達の目の前にいるわ」 「……っ……」 まるで夢物語のような話を、ソプラはキッパリと断言した。 天音には世界を救う力がある、と……。 魔法が使えるなんて、天音は信じられなかったし、何より。自分にそんな大層な力があるとは思えなかった。 しかし、ソプラは構わず話を進める。 「それに、そうしないと貴方は元の世界に戻れない。……本当に貴方には悪いと思ってるわ。見ず知らずの地で、見ず知らずの人の為に命懸けで旅をしろだなんて……」 「……天音……」 リオンは心配そうな顔を天音に向ける。ソプラは苦しそうな表情を浮かべ、天音を見ている。 天音はキュッ、と唇を噛みしめ、俯いていた顔を上げた。 「……分かりました。やってみます……」 天音は決意の意志を示した。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加