魔法講座

8/11

645人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「……ありがとう」 天音の言葉を聞いたソプラは、ふわりと微笑んだ。それはまるで、花の様な笑み。 「何処まで私の力が通じるかわかりません。でも……、何かをしないと始まらないなら、少しでも希望があるのなら。私はやります」 天音の意志は想像以上に強いものだった。ソプラはクスリと笑みを漏らす。 「……ただ、天音、貴方には魔法を使えるようになってもらわないといけないわ……」 「はい」 「そうね……、3日で覚えてもらうわ」 「!? 姉さん、それは短すぎなんじゃ――」 「黙りな、リオン」 「けどっ!」 ソプラはリオンを睨み付ける。その瞳の意志は強く揺るがない。 「天音には素質がある。その素質さえ引き出せば何とでもなるわ。……それに、時間をかけている暇はないの」 「……分かりました。努力してみます」 天音は断言した。 それをリオンは心配そうな目で見る。何故なら、自身が魔法を使えるまでにかかった時間からすると、期限が遥かに短すぎるからだ。 「……天音の属性は『水』ね……」 「水、ですか?」 「そう。無意識に醸し出す魔力が水だわ」
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加