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「これが……、魔法……」
「コツはこの水の球の形をイメージすることです。イメージした後で一気に掌に神経を集中させる事で球が出来ます」
「イメージ……」
ナギサはそう言って、水の球を弾かせた。一方、初めて魔法を見た天音は目をまん丸くしてかなり驚いた様子だ。
「やってみて下さい」
ナギサに催促されてハッとした天音は慌てて掌を前に差し出し、目を閉じて頭に水の球を描く。
出来るだけ鮮明に。
出来るだけ細かくイメージを固める。
そして、手のひらに体の中から沸々と湧き上がる“何か”を集中させる!
「……っ!?」
「なっ……!?」
ナギサとリオンは目を丸くして驚いた。天音の体全体から水色の魔力がまるで湧き上がるように出ているのだ。
滝のように溢れ出たかと思えば、それはゆっくりと治まり、天音の手のひらにはナギサの作り出した水の球と同じ物が出来ていた……。
「……合格です」
そう言って、ナギサは微笑んだ。
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