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「……では、今日はこの位にしときましょうか」
ニコリとまた笑みを浮かべてナギサは言った。その言葉と共に天音は力なく座り込んだ。あれから約3時間続けて魔法の訓練をしていたため天音の体力と魔力はほぼ空になっていたのだ。
「でも……、これなら3日もいりませんね……。明日で教えられる事は終わりそうですし……」
ナギサは視線を周りに向ける。辺りの木々は見事に倒れていて、何かに抉られたような傷跡がある木や、真っ二つになっている木もある。
……そこにリオンの屍があるように見えるのは気のせいにしておこう。
「……ハァ……。つ……、疲れた……」
大袈裟なくらい肩で息をする天音。と、そこへソプラがグラスを4つ持ってやって来た。
「……お疲れ様。ナギサ、天音はどう?」
「あ、ソプラ様! 順調ですよ、もう基礎的な魔法はマスターしたみたいですし」
グラスをもらったナギサはソプラにあの人懐っこい笑顔で報告をする。それを聞いて、ソプラも微笑んでから天音に近づく。
「お疲れ様。ナギサは良い師匠でしょ?」
ニコリと笑って天音にも飲み物を渡す。
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