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「はい、凄く勉強になりました。魔法って凄いんですね~……」
ふにゃりと顔を綻ばせ天音は飲み物を受け取り、礼を言った。そんな天音を見てソプラはクスリと笑った。
「副隊長の名は伊達じゃないからね」
次にソプラはリオンに近づき……、
「いつまで寝てんのよ」
勢いよく腹を踏んだ。
「ぐぇえっ!?」
腹への圧迫感で屍と化していたリオンは飛び起き、理不尽な姉に抗議する。
「姉さん! 何で人の腹をヒールで踏んでんだよ!」
「あ、ゴッメン、ヒールって忘れてた」
それはとても清々しく良い笑顔だった。リオンはため息をついて、脱力感たっぷりに座り直した。どうやら抗議はもうしないらしい。
2人の力関係的には、リオンとソプラの間には越えられない壁があるようで諦めるのは早かったみたいだ。
ソプラはクスクスと笑いリオンに飲み物を差し出し、リオンはそれを黙って受け取る。
「……仲、良いんだね」
「えぇ、とっても仲は良いんですよ。ソプラ様、リオンさんの事が大好きですから」
天音の質問にナギサは笑顔で答える。
愛情の裏返しみたいなものかなぁ、と天音は考えながら見ていた。
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