『女神の裁き』と勾玉

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天音は反論が出来なかった。よく見てみると、隣に座っているリオンとナギサは目を伏せ、悲痛な表情を浮かべている。 ソプラは一息つくと、また話始めた。 「話が逸れたわね。……それから少女は幽閉されたわ。……でも、10年経ったある日、その子にとり憑いた『闇の化身』は少女を使って人間に復讐するための戦争を始めた。それが全ての始まりよ……」 「……」 3人は黙ってソプラの話を聞いている。誰も、何も話せない。 「……生まれてから幸せな生活を送っていた少女が、一夜にして地獄のような苦しみの生活に変わった……。そんな子の気持ちは私にはわからない。でも……、きっと死にたくなるくらい苦しかったんだと思う……」 「でも。それでも、10年間。少女は幽閉された空間でただひたすら自らに与えられる恐怖、そして『闇の化身』との自身の身体を巡っての攻防を堪え忍んでいた。……なのに、駄目だった……」 「……」
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