645人が本棚に入れています
本棚に追加
「『闇の化身』が復活したら……どうなるんですか……?」
天音は生唾を呑み、ソプラに尋ねた。聞かなくても、察しはつく。
でも、聞かなければいけない気がした。天音自身が覚悟をきちんと決めるためにも……。
「……また、10年前と同じように世界は破滅に向かうでしょうね」
『闇の化身』を封印するために起こった大戦争。過去を遡ってみても、10年前の戦争『女神の裁き』より酷いものはないだろうとソプラは言う。
逆を言えば、それがまた起ころうとしているのだ。
「……ここは天音には関係ない世界だと思うわ。でも、無意識的に私が貴方を選んでしまった。私を恨むなら好きに恨んでもらって構わない。けれど、こんなことは天音にしか頼めないの……」
そう言って、ソプラは手のひらを額に当てた。確かに天音としても不本意ではあるが、元の世界に戻る為なら致し方ないものがある。
この世界の事はよくわからないが、やるしかないのだ。
と、不意に天音は1つ気になる事を思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!