運命の扉

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――本当に今日はついてないと思う。 折り畳み傘を忘れるなんて天音の普段なら絶対にしない凡ミス。また、今日は朝から忘れ物の嵐だった。 自身が少し抜けていると言うのは理解していたが、こんなに凡ミスを繰り返してしまうのは初めてだったと思われる。 そんなことを思いながら、天音は部活に向かった。 何時もより、少しだけ足取りは重い。 それも皆、今日見た夢のせいだと思った。 ――不思議な夢だったなぁ。 天音は部活へ行く足は止めず、ゆっくりと今朝視た夢の内容を思い出す。 荒れる天気。鳴り響く雷。 そんな中、見たことのない不思議な魔法陣に立つ女の人。金色の長い三つ編みを風に靡かせ、エメラルドグリーンの瞳は空をも射抜くような意志の強さを感じさせた。 そして、彼女が持っていた黄金の鍵から放たれた光……。 その瞬間、空は晴れ渡り鍵は消滅した。
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